「慎み深い」「素晴らしい魅力」を花言葉とする「椿」。
花言葉に裏がある花はいくつか聞きますが、「椿」にも裏花言葉があります。
「罪を犯す女」
椿姫からくるといわれますが、なぜ、そんな意味があるのでしょうか?
怖いといわれる「椿の裏花言葉」を解説、その背景は意外と切ないのです。
椿の花の裏花言葉を解説!
椿姫がわかると納得できる花言葉
椿の花と椿姫の関係
ツバキは日本原産の花で、その歴史はとても深いものです。
「万葉集」の時代から美をたたえた歌として詠まれ、日本で親しまれてきました。
室町時代には、ツバキをモチーフにした絵や彫刻も登場し、江戸時代には、あらゆる工芸品に用いられ、肥後椿のような盆栽名花が作り出されます。
これらは、長崎出島から西欧に広く伝わっていくことになります。
西欧で「椿姫」は誕生した
西欧文学で「椿」という花が存在することを世に知らしめたのが、
デュマ・フィス の 「椿姫」(原題:La Dame aux camelias = 直訳「椿の花の貴婦人」)
です。この小説と戯曲が登場して親しまれ、これを原作とした傑作オペラとして
ジュゼッペ・ヴェルディ の 「椿姫」(原題:La Traviata =直訳「堕落した女」)
が登場してきます。
原題を比較するとわかるように、オペラの題名に「椿」の文字はありません。
しかしながら、日本では、原作が小説なことから「椿姫」としているのです。
これらは、世界で大流行し、今でも愛されている人気作となっています。
なぜ「椿の花の貴婦人」なのか
社交界の貴婦人、「椿姫」は
冬の厳しい寒空に耐えて咲く
ツバキの花がお気に入りだった。
月の25日間は白いツバキ、
残り5日間は赤いツバキを胸に飾ったという。
ツバキの「すばらしい魅力」が
椿姫の輝かしい美しさを
一層、際立たせるように
「慎み深く」咲いていた。
椿の花が好きなヒロインだったのです。
「どうしてそんなふうに色を取りかえるのか誰にもわからなかった。」
と小説の筆者は語っているそうです。
しかし、ヒロインが高級娼婦であることから、
白い花が「営業中」、赤い花が「本日休業」の解釈が一般的なようです。
椿姫から連想される花言葉
椿姫は高級娼婦で「罪を犯す女」だったから、この裏の花言葉が連想される解釈が一般的です。
では、原作小説の椿姫はどんな人なのか?
小説ヒロインのマルグリットは、アルマンという人物と恋をします。
出会いの部分もそうですが、前半部分ではやはり娼婦らしい部分を感じさせる表現がたくさんあります。
しかしながら、後半になるとマルグリットは田舎家に移り住んでしばし幸せな生活をおくります。
娼婦っぽさが全くなくなり、贅沢をやめて慎ましく質素な生活を望み、多いとはいえないアルマンの収入で堅実な生活を望みます。
最終的には、病魔に侵されつつ、アルマンへの思いを寄せながらも身を引きます。
そしてアルマンには誤解されたまま、亡くなります。
マルグリットは、最後にはとても気高い女性として、描かれています。
まとめ
「椿姫」の小説は有名で、今でも読むことができるはずです。
オペラしかご存じのない方は、原作も読んでみることをお勧め致します。
昨今では、西欧、アメリカ、豪州などのツバキブームは驚くべきもので、ツバキの品種は五千種以上ともいわれています。
近年では、黄色のツバキが中国で発見され、珍花として話題を呼び、品種は今も増え続けています。
本当に様々なツバキに目移りしてしまいます。さすが「罪を犯す女」ですね。
閲覧頂き、ありがとうございました。
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