日本に古くからなじみのある「椿(ツバキ)」の由来と語源、もっと椿が楽しめるようになればと調べてみました。
椿は日本原産、「日本の薔薇」とも言われ、学名に別称もあります。
実は長崎県の「県の花木」に指定されてもいます。
万葉集では歌にも読まれ、短歌俳句では季語にも指定されています。
そんな椿のちょっとした雑学をお伝えします。
椿の由来と語源に学名と別称、
県花(県木)にも選ばれる良さとは?
椿の由来と語源、学名と別称を調べてみた
椿のことを調べると、園芸の歴史は500年以上にも及びます。
世界でのツバキブームは2度ほどありました。
1度目は、西欧に渡って一大ブームとなり、フランス作家小デュマの「椿姫」もそれを時代背景にした作品です。1890年ごろにはいったん下火となります。
2度目は、1950年ごろ、英国で人気が高まり、ついでアメリカ、オーストラリアへと拡大し世界的ツバキブームへと発展していきます。
ツバキは世界中の栽培家から高く評価され続け、今日に至っています。
原産国が日本で、とても素晴らしい「椿の花」の由来をお伝えしていきます。
椿の由来と語源
春の木と書いて椿(ツバキ)と読む。この字は国字で、日本でつくられました。
早春の椿の花に、巡る季節を感じる日本人ならではの発想です。
万葉集には「海石榴」(ツバキと読む)とも「椿」とも記されています。
中国では当時「海石榴」と記したのを、日本で模倣したという説が有力です。
つまり、中国にはない漢字で、日本が作った字なんです。
椿の由来と原点、日本人と椿を考える
日本人と椿の関わりは古く、古代には油料や染料に使われる身近な植物でした。
椿はまた、霊力を持つ神秘の木でもありました。
「日本書紀」には景行天皇が椿で作った杖で土蜘蛛を退治したお話もあります。
鎌倉時代以降、椿はようやく花木として鑑賞されるようになっていきます。
日本での全盛は江戸時代といわれています。
特に、二代将軍秀忠は椿の名花、珍化を集めました。
諸国大名もこれに倣い、椿の花を献上し、椿愛好熱に拍車がかかます。
そして、町人にも伝わり、庭に椿を植えて楽しむようになります。
江戸椿は民衆に根付いた花となったのです。
椿の語源、植物の特徴を考える
後にも記載しますが、常緑高木です。
その葉の特徴としては、革質で厚く表面に光沢があり、美しいです。
その特徴から「厚葉木」の意味、または「津葉木(葉に光沢のある木)」の意味が読み取れます。
この二つを語源と考えるのが一般的です。
他にも、朝鮮ではツバキを「冬柏(ツンバク)」といい、これが訛ったものというのもあります。
学名(別称)
学名:Camelia japonica 別称:カメリア、ヤブツバキ(藪椿)
ハイブランド「シャネル」のトレードマークで「カメリア」は有名ですが、そう椿の事なんです。
これを知ったときは、とても驚きました。
種類はツバキ科ツバキ属の常緑高木です。
ツバキは鑑賞の対象となってからは、園芸品種も作られています。
原産地は日本で、花色には、紅、白、暗紫、桃、黄、絞り、咲き分け、などがあります。
自生種には、ヤブツバキ、ヤクシマツバキ、ユキツバキ、などがあります。
日本中で一番見られるのは、ヤブツバキです。
椿は県の花木に指定されている
長崎県の「県の花木」に指定されています。
各都道府県には、郷土を代表する県の花、県の木、県の鳥が定めれれています。
NHKが企画した「郷土の花」設定運動がきっかけとなり、選定されています。
長崎県が花木に指定しているのは、県内に各地に咲き誇り、広く分布されているからです。
特に「五島(ごとう)つばき」は有名ですね。
また、長崎県人が親しむ椿の種から抽出した椿油は、長崎の名産品の一つでもあります。
実の生産でも、全国第1位になったこともあることから、県の花木に昭和41年11月25日に指定されています。
長崎県では、とても愛されている花木なんです。
まとめ
どうでしょうか、椿の花は俳句や短歌では「万葉集」の時代から詠まれてきた歴史ある花です。
深い歴史のある椿は、日本の「詫び」と「寂び」を表現するのに欠かせない花と考えます。
シャネルの話などは調べないと気づきもしません。椿の花がもっと好きになりました。
椿は高価で贅沢な花として禁止令も出たことがありますが、幸いなことに現在ではありふれた花です。
ふと見かけたときには、今回の雑学を思いおこして頂ければ幸いです。
ご閲覧頂き、ありがとうございます。
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